FAQ
(Frequently Asked Questions)
2.国語学習・国語教育について
No | 質問 (2.国語学習・国語教育について) |
---|---|
2-01 | “書きことば”と“話しことば”とでは、一体何が違うのですか。 |
2-02 | 先生は、今の子どもの国語の課題は何だとお思いですか。 |
2-03 | 小学校英語科・Bilingual教育・国語科との関連をどのようにお考えですか。 |
2-04 | いわゆる国語力と学校の国語テストの成績とは、密接に関係していますか。 |
2-05 | 今の子どもたちには、国語力・思考力が低下している。論理力が育っていない。だから「言葉の力」を育てることが重要だといわれています。これを改善する具体策は、学校でとられているとお考えですか。 |
回 答
2-01 | “書きことば”と“話しことば”とでは、一体何が違うのですか。 |
---|---|
A | 話しことばは感覚の世界で、書きことばとは語彙が違います。しゃべることは感覚でやりとりでき「今、ここ、わたし」を伝えなくても成り立ちます。しかし、書きことばは「第三者が分かる」ことばでないといけません。書きことばでは、「S・V」をきちんと書かないと分かりません。When(いつ),Where(どこで),Who(だれが),What(なにを),Why(なぜ),How(どのように)がないとだめです。このフレームが必要です。さらにWhom(だれに),How Many(どのくらい)も必要となります(6W2Hです)。 |
本教室は、書きことばの前提・基礎から指導していきます。五感を使い「具体の観察」から入っていきます。観察(物事の本質を見つめる目をみがく)・分類(区分け、規則性の発見、洞察力を養う)・比較(どこがどう違うか、“書きことば”で「比べる技量」を身に付ける)が3本柱です。 |
2-02 | 先生は、今の子どもの国語の課題は何だとお思いですか。 |
---|---|
A | 日本の小学校・中学校・高校では、作文を書く時間は非常に少ないのが現状です。多くの子どもは、書く力が弱いので、この力を育てることが課題です。 |
今の小学校国語は、「書きことば」と「話しことば」が全く違うことを意識させ、指導する教師がほとんどいません。本来は、「書きことば」が大事です。すでに子どもは、学齢以前にしゃべりことばを覚えていますから、小学校に入って学ぶことは「書きことば」なのです。 |
2-03 | 小学校英語科 ・ Bilingual 教育 ・ 国語科との関連をどのようにお考えですか。 |
---|---|
A | 外国語・日本語のことばの力を育てるには、メタ言語の育成が大切です。本教室は、プロジェクト型の英語指導と同様に日本語・母語の力を伸ばすために、自ら考える Authentic な学習・横割りのレッスンを行っています。座学にならない、動く言語教育をたくさん行います。 |
ジム・カミンズよって提唱された「二重氷山説(二言語相互依存仮説)」によれば、母語と第二言語の深層では、認知・学力的側面の言語力が共有されています(Cummins & Swain 1986)。外国語を学習すれば、母語に刺激を与え、日本語力の発達を促す可能性が示唆されています。カミンズは、第一言語と第二言語は相互に転移すると言っていますので、母語だけではなく外国語に触れることが、母語の豊かな使い手になりますし、母語をしっかり学べば外国語にも強くなります。 |
2-04 | いわゆる国語力と学校の国語テストの成績とは、密接に関係していますか。 |
---|---|
A | 結論はNOです。「国語テストの成績は、その子の本当の国語の実力を反映していない」のです。国語テストの点数は、児童生徒が先生の言う通りに勉強さえすれば取れます。そのテストの点が高くても国語力の証明にはなりません。試験問題は、教科書に載っている文章を使い、授業で説明したことがテストに出ます。子どもたちは、教科書を勉強させられているのであり、真の国語の基礎力を身につけてはいません。ことばの力は、広く・深く・楽しい学びの結果として身に付くものです。国語力は 3-Way 三位一体(読む・書く・対話)でバランスのとれたものでなければならず、テストで見えるのは狭い範囲の知識・理解力程度です。思考力、判断力、想像力、表現力などは簡単に測れるものではなく、学校での学習はきわめて限られています。学校外で特別に時間を確保し、国語の学びを地味に行うことが、すべての教科をのばす原動力となります。 |
2-05 | 今の子どもたちには、国語力・思考力が低下している。論理力が育っていない。だから「言葉の力」を育てることが重要だといわれています。これを改善する具体策は、学校でとられているとお考えですか。 |
---|---|
A | 残念ながら目標はあっても総合化する具体策が少ないことが、日本の国語教育の実態です。私が学校現場に長年勤めていて感じたことですが、教師のほとんどは、国語の教科書で指導すれば「国語力」が向上すると信じています。教科書には「言葉の力を向上させるページ」がいくらかはありますが、指導時間は非常に少なく系統性もあいまいです。具体的な指導内容が、質量ともに少なく指導時間も十分確保されていません。 |
Copyright © 2010-2025 目白言語研究室
(Mejiro Language Laboratory)
(Mejiro Language Laboratory)