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(Frequently Asked Questions)

5.学力・家庭環境などについて

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No質問 (5.学力・家庭環境などについて)
5-01「学力格差は、経済格差を反映している」といわれていますが、どう思われますか。
5-02所得・習い事・成育環境(親のしつけスタイル)は、幼児期の子どもに大きな影響を及ぼすことがわかりました。今後、家庭では「どのような態度」で子どもを育てていけばよいのですか。
5-03最近「非認知能力」が注目されています。どのように育てればよいのですか。





 回 答 




目白言語研究室 Mejiro Language Laboratory MLL 中高校一貫校 バイリンガル 2言語習得 多言語習得 インターナショナル・スクール アメリカンスクール
 




5-01「学力格差は、経済格差を反映している」といわれていますが、どう思われますか。
 残念ですが学力格差は、経済格差を反映しているようです。それは幼児期から現れています。ある国立女子大学の先生が広範囲にわたる調査をしました(幼稚園じほう2011/9月号参照)。経済格差が、幼児期のリテラシー(読み書き能力)や語彙の獲得にどのような影響をあたえるのか、3年間にわたってアンケートと面接方法で調べたことが報告されています。
  その結果によると、語彙の力、語彙が豊かかどうかは、家庭の収入の影響を受けていることが分かりました。5歳になると、非常に大きな違いがでました。所得の高い層の子どもの語彙力は豊かでした。また、「書く」ことと「語彙力」は(芸術・運動系、学習系を問わず)、「習い事をしている方が高い」という結果がでました。様々な習い事を体験する過程で、多くの語彙の獲得があるからでしょう。
  そして、成育環境の違いで、語彙力に差が出ることが分かりました。親のしつけスタイルが、語彙力と関係していたのです。語彙得点が高い子どもは「共有型のしつけ」を受けていました。反対に、強制型のしつけを受けている子は語彙得点が低いことが、明確に分かりました。家族の団らんを大事にし、子どもと楽しく会話し親子の触れ合いを大切にしている親のしつけ方(共有型)は、語彙力が高かったのです。
  さらに、蔵書数の多い家庭の子は、読み書き、語彙得点が高かったのです。絵本の読み聞かせが多い家庭はその効果として語彙が多くなるのでしょう。強制型しつけは、所得の高低にかかわらず低い傾向にありました。やはり子どもへの抱擁力やきまりをまもって自由にふるまわせる許容性が、語彙力の獲得に大きな影響を与えていると考えられます。
  しかも、幼児期から小学校への追跡調査の結果、幼児期の語彙能力と書き能力は、小学校での国語力に影響を与えています。幼児期に語彙が豊かであれば、国語の成績も高いという結果が明らかになりました。
  小学校低学年でも遅くはありません。絵本を楽しみ読書をたくさんして、語彙力を伸ばすことが、表現力、書く力を育みます。
  本研究室のプライマリークラスでは、絵本を読み聞かせ、さらに、楽しい「絵」を見て自分でことばを立ち上げ、教師とのことばのやりとりの後、短文で簡単な感想を書いたり、やや長文の続き話を書いたりしています。
 




5-02所得・習い事・成育環境(親のしつけスタイル)は、幼児期の子どもに大きな影響を及ぼすことがわかりました。今後、家庭では「どのような態度」で子どもを育てていけばよいのですか。
 「絵本の読み聞かせ」の場面設定で、良い例◎(共有型しつけ)、良くない例×(強制型しつけ)を考えましょう。
 <良い例>
◎子どもの表情に敏感で、様子を見ながら絵本を読み進める。
◎読み聞かせながら、子どもが考える余地を与える援助的なサポートをする。
◎母親は自分から話しかけない。子どもが発話すると、共感的に応じる。
◎子どもの年齢・発達・実態に応じて、柔軟に言葉かけを調整する。
◎子どもの視線の動きによく注意し、子どもがキャッチしたものに対して共感的に言葉をかける。

◇これらのことから
 ⇒子どもは自主性、興味・関心を尊重される。
  子どもは主体的な探索、自立的な考えや行動を温かく見守ってもらえる。
   ⇒安心して動ける。
     ⇒その結果、子どもの語彙・知識も豊かになる。


 <良くない例>
× 子どもに考える余地をあたえず、親のペースで読み進める。
× 子どもの思いよりも親の考えを前面に出して読み進め、レールを敷いて読みとらせようとする。
× 絵本の読み聞かせの後、お話の中身を聞き、テスト的な言葉かけをする。
× 子どもが絵本の中身や言葉をとり違えると、否定的なことばをかける。
× 子どもへの過度な介入があり、情緒的なサポートが低い。

◆これらのことから
 ⇒子どもは親の顔色を見ながら行動してしまう。
  子どもの主体的な探索活動が見られない
   ⇒いつも否定されるので、自分から動けない
    ⇒その結果、子どもの語彙力は伸びていかない。

 <結 論>
◎小学校の学力への影響要因
  ・・・幼児期の語彙能力・書き能力は(主に図形模写)、小学校の国語の学力に影響する。
◎「共有型しつけスタイル」は、語彙得点・国語学力の成績に影響している。
◎ 幼児期、児童期を問わず、親はたくさん覚えさせようとするのではなく、子ども自身が考え判断する余地を残すことが、思考力・語彙力を向上させ、書く力を高める。
◎ 学力格差は、経済格差を反映するが、親のしつけスタイルでカバーすることが可能。
◎ 習い事を体験する過程で、多くの語彙の獲得がある。ことばによる表現力が高くなる。
 
◇目白言語研究室は、子ども自身が自発的に探究する時間を設定し、見守り、つまずいたら脇から助言します。最初は、助言が多くあっても、日時がたち回数が増えるにつれて、自力で課題を進め自立する子どもの様子がみてとれるようになります。一人ひとりに応じた個別メニューで的確に指導できることが最大の長所です。


目白言語研究室 Mejiro Language Laboratory MLL 中高校一貫校 バイリンガル 2言語習得 多言語習得 インターナショナル・スクール アメリカンスクール
◯わたしは、日本のえ本が大すきです。まい日ママによんでもらいます。たまにパパもよんでくれます。目白でもせんせいが、たくさんよんでくれます。ひとりよみもできるようになりました。これからもたくさんよんでいきたいとおもいます。
☆絵本の読み聞かせは、新しいことばをひとつひとつ正しく獲得することに役立ちます。
☆読み聞かせでは「大脳辺縁系」(心の脳)と呼ばれる部分が働き、聞き子の喜怒哀楽を豊かにする効果があります。
☆読み聞かせは子どもの感情を養い、コミュニケーション力を育てる大きな力をもっています。
 




5-03最近「非認知能力」が注目されています。どのように育てればよいのですか。
 「非認知能力」は OECD では「社会情動的スキル」と言われます。IQ ・ 偏差値などで数値化される認知能力と異なり、目に見えにくいものです。「学びに向かう力や姿勢」とも言われます。目標・意欲・興味・関心をもち、粘り強く、仲間と協調して取り組む力や姿勢が中心になります。
  認知能力の土台が非認知能力です。この能力は幼児期から小学校低学年に育成するのが効果的です。両者は絡み合うように伸びていくものです。意欲・関心をもって粘り強く取り組ませれば、自然と深く考えたり工夫したり創造したりして認知能力が高まります。このように認知能力が発揮されれば達成感・充実感が得られ「次も頑張ろう」という非認知能力が強化されます。
  家庭教育でも目白言語でも、言葉をたくさん活用させて「話す・聞く・対話」で、Communication Skill の向上を図り、子どもの発想を豊かにし、考えを深めさせてまいりましょう。










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